品出し量と経時劣化の深い関係

外に食べにいくのを「外食」といいます。お弁当やお惣菜を買って帰り、おうちで食べるのは「中食」になるそうです。我々「中食業界」で、もっとも製法的に外食と異なる点は、作ったその場で食べずに持ち帰っていただくので、そのあいだに味が変わっちゃうこと、すなわち「経時劣化」を折込むことです。短くまとめると「さまして味濃くする」みたいな方向ですが、これは、つきつめると果てしない…です…。
まずは、温度。そして水分、味のりんかく、そして時間。アツアツで出したいのをがまんし(あんまり熱いと水滴になった湯気で味が落ちるから)、塩分を含む仕上をすれば即座に水分が出てくるので、提供のタイミングに合わせてギリギリに仕上げたり、少しの時間経過を前提に味の変化を見越して辛さや旨味(ダシの分量)を調節し、そして調理科学に基づいて設定した時間を超過した商品についてはロスとして廃棄処理を行う、と。
とくにこれから夏を迎える季節は、1にも2にも安全性です。我々は店で保存料を足しませんので、お酢の使い方や塩分のコントロールでわずかに(しかし効果のある)調整を行います。あとは、廃棄の時間と最終仕上げのタイミングでやるしかありません。このように安全性を常に最優先するため、ショーケースに並べる量が少なくなりがちで、どうしても「一時的な欠品」が起こりやすくなってしまうのです(保存料を使うお店なら、たとえばたくさん作って翌日まで置きっぱなし、的なことも技術的にはできるので)。そんなときは、一生懸命厨房で追加の調理を行っておりますので、どうぞ暖かい目でお時間いただけましたら幸いです。(とは言え、ショーケースに並んでるのを見て選ぶ楽しみこそ最大の魅力とも考えておりますので、もしも買うものが決まっていてという日がありましたら、惣菜一品から電話予約承っておりますのでぜひご利用ください。)ご予約は、ご指定の時間にさっと受取りできてたいへん便利かと思います。

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